<< October 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< ハンニバル・ライジング | main | ディパーテッド >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - |
善き人のためのソナタ
Sonate vom Guten Menschen

ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ。
徹底した監視体制を敷く東ドイツの秘密警察(シュタージ)は、
劇作家ドライマンと恋人の女優クリスタが反体制的である証拠を見つけるため、
ヴィースラー大尉に監視を命じる。
彼らの生活をつぶさに盗聴・監視することになったヴィースラーは、
彼らの自由な思想、そして1曲の美しいピアノソナタによって
次第に心を動かされていく……。



2007年の外国語アカデミー賞を受賞した映画です。
概ねドイツ映画といえば音楽がほとんどないだろう・・・
と思ってたので静かな映画かと思いきや
要所要所で的確に印象的な音楽が流れるので
「お!?」と思いクレジットをよく観ると
やはりというか音楽担当は
私の大好きなガブリエル・ヤレドでした。
どうりで綺麗なはずだわ。。

徹底した社会主義国家を理想郷と信じて
生きてきたヴィースラー。
でも同級生だった友は出世と自己保身しか考えず
大臣はある女が欲しいがためだけに権力を利用する。
それが今の自分の信じたモノの成れの果てだとしたら・・・
そしてそんなやつらが国のトップだという現実。

今までの己の信念がぐらついたときに
自分が監視していた対象者達が弾いた一曲のソナタによって
彼の心に熱が灯る

そう、私このピアノをヴィースラーが聴いた時の場面で
訳を見て「?」と違和感を感じました。
セリフでは熱情ソナタなのに
なぜに譜面の題名が善き人のためのソナタ?
あれは彼が善き人になる=生まれ変わるんじゃなくて
内なる心に熱情=パッションが生まれる瞬間だったんじゃないかって
思えたからなのです。
今まで抑圧してきた自分ではなく自我に目覚めた瞬間だったのではないか
だから彼は内なる熱に突き動かされて行動したのではないかと。。

だからその後、逆に要注意人物となって
落ちぶれてしまった彼にまったく後悔や悲壮感が感じられなかったのです。
壁が崩壊した後も元シュタージというレッテルで
きっと不遇な目にあったでしょうが
熱情を持って行動した者のみ知りうる充足感が
寡黙な彼を支えていたのではないでしょうか

そんな彼に真実の全てを知った劇作家が
彼にしか出来ないやりかた=ヴィースラーが1番望み、守りぬいた方法で
気持ちを伝えてきます。
ラストシーンでこんなに泣ける映画っていうのもあんまりないですね。
私もしばらく涙が止まりませんでした。。。

いい脚本というのは滅多に出会うことはありませんが
この作品は正に完璧です。
本当にラストのセリフのためにこの映画はあると言っても過言ではありません。

ただ惜しむのはやはり先に書いた日本語訳ですね。
私の中では善き人になった男ではなくて
共感できる者の魂に触れて熱情に目覚めた男の話しと捉えた方がしっくりきたので
その部分が残念です。
| 洋画・ヤ・ラ・ワ行 | 03:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| - | 03:59 | - | - |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://yumeneko.jugem.jp/trackback/26
トラックバック